リスニングコラム/libera『luminosa』
libera『luminosa』(WPCS-11100)
今のところ、私がセミナーを開いた時、純正律の代表例としていの一番にかけるCDがこの1枚、リベラの『ルミノーサ』だ。天国的にハモるボーイソプラノの美しさはウィーン少年合唱団を優にしのぎ、同じ英国のボーイズ・エア・コワイヤよりも純粋にきこえる。リベラの1枚目ももちろん素晴らしかったが、この1枚は、クラシックの名曲を素材にしていることともあいまって、非常に格調が高い。
また、1枚目では分からなかったリベラの正体が見えてきた。プロジェクト・リーダーは作曲家のロバート・プライズマン(1952〜)。もともとオルガニストとして、協会音楽に長年関わってきた人。彼のもとに集まった少年の平均年齢は12歳とのことだが、その音楽性は12歳なんてものではない。彼らの純粋な発声でこそ得られる高い音楽性は、世俗に染まった大人たちには真似の出来ない世界でもあるだろう。
クラシックを素材にしたと書いたが、あくまで素材であり、いわゆる編曲なんかではない。いろんな編曲シーンを経験した私でさえ、ドギモを抜かれた、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の「水族館」。リベラの歌声で初めて「水族館の神秘が味わえる。
CDのタイトル曲でもある「ルミノーサ(聖なる光)」は、なんと、ドビュッシーの「月の光」。私自身、何度も編曲をしているが、コーラス版は思い付きもしなかった。というか、こんな程度の高い純度のコーラスは、日本には存在しないからだ。しかし、最近、女声コーラスもノンビブラートの人
達が増えており、そのうち、リベラ級のコーラスの誕生も近いかもしれない。
CD紹介一覧のページに戻る 次のコラムを読む